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弁護士費用特約の使い方

弁護士費用特約とは

自動車の任意保険に加入・更新されるとき「弁護士費用特約」を付けるかどうか、ということで悩まれた方は多いかもしれません。

弁護士費用特約とは、交通事故や日常生活上の事故で、事故の相手に損害賠償を請求するため弁護士に相談・委任する場合において、相談費用や着手金・報酬等を補償してくれる特約です。

ごく単純に言えば、この特約を付けておけば「事故に遭って、弁護士に相談・依頼する際にかかる費用が保険から出る(使っても等級は下がらない)」ということです。

結論を先に申し上げると、入っておいて損はない特約だと思います(弁護士でも入っている人が多いです)。

弁護士特約の使い方

(1)相談時

当事務所では交通事故の相談申込みを受け付ける際、「弁護士費用特約にはご加入されていますか?」と確認させていただくことにしています。

弁護士費用特約に加入されている場合には、保険会社により異なりますが、一般的には相談料が10万円程度まで補償されますので、当事務所の基準では10時間程度の相談が使えることになります。

したがって、相談料についてはまず心配がない状態になると思います。

なお、「相談する弁護士は保険会社の弁護士になるのかな…」と誤解されている方が多いようですが、弁護士は自分で自由に選ぶことができます(もちろん心あたりがなければ保険会社に紹介してもらっても構いませんし、弁護士会に紹介してもらうこともできます)。

(2)依頼時

弁護士に相談したうえで、交渉を依頼したい、という場合、弁護士に「弁護士費用特約を使って依頼したい」旨をお伝えください。
あとは弁護士と保険会社とが連絡を取り、手続きを進めます。

基本的には、弁護士と依頼者との間で委任契約書を締結し、弁護士から保険会社に対し着手金等の費用を請求することになります。

なお、通常、弁護士費用特約には上限金額(300万円の場合が多い)が設定されていますが、事件の進行中にこの上限金額をオーバーすることは多くありません。

事件終結時の報酬は上限金額を超えることがありますが、その点については後述します。

(3)解決時

交渉が決着し、相手方から賠償金の入金があった場合、通常はそこから弁護士報酬を頂戴することになります(つまり賠償金額-(報酬金額+各種費用)=依頼者の方が受け取る金額となる)。

しかし、弁護士費用特約がある場合には、報酬も各種費用も弁護士費用特約でカバーされますので、通常は、報酬を差し引かれることなく、賠償金の満額をお渡しすることができます。

ただし、前記のとおり、保険金額には上限がありますので、その上限を超える部分については、受領した賠償金額から差引きさせていただくことになります。

利用できるケース

(1)後遺障害が問題となるケース

交通事故の処理で弁護士に相談・依頼すべきケースとしては、やはり、後遺障害が問題となるケースが挙げられます。

症状が残っているのに治療打ち切りを保険会社から提案された、あるいはちゃんと後遺障害が認定してもらえるか心配だ、というケースには弁護士への相談が望ましいですが、弁護士費用特約に加入していれば、費用の心配なく弁護士に相談することができます。

また、死亡事故や重度の後遺障害が残った場合には、事務所によっては(当事務所では着手金ゼロの体系を用意しておりますので問題ないのですが)弁護士への着手金が高額となる場合もあります。

また、このような事故では賠償金額が高額になる場合が多く、裁判所に納める印紙代も負担となることがあります。

弁護士費用特約に加入していれば、着手金も印紙代も保険でカバーされますので、その点を心配せずに依頼していただくことができます。

(2)自分の過失がゼロのケース

実は、弁護士費用特約が威力を発揮するケースがもうひとつあります。

それは、例えば、完全に停止しているところに追突された場合など、過失割合が10対0となり、自分の過失がゼロ、いわゆる「もらい事故」のケースです。

双方に過失がある事故であれば、示談代行、という形で、自分の加入している保険会社が、相手の保険会社と様々な交渉を行ってくれます。

ところが、この示談代行サービスは、弁護士法による制限があり、自分の側にも一定の過失がある場合でなければ使えない、というルールになっています。

つまり、前記のような自分の過失がゼロのケースでは、示談代行サービスは使えず、相手方保険会社とのやりとりは全部自分でやらなくてはいけません。

結果的に、自分は全く悪くないのに、保険会社とのやりとりに苦労しなくてはいけない、という事態が起こるのです。

こんなときにも、弁護士費用特約が威力を発揮します。

弁護士費用特約には、示談代行のような過失の要件がないので、自分の過失がゼロで、自分の保険会社が動いてくれない場合であっても、弁護士に事故の処理を依頼することができます。

(3)同居の家族の弁護士費用特約が使えるケース

弁護士費用特約は、通常、被保険者本人のほかに、同居のご家族にも特約が使える場合が多いようです。

当事務所でご相談を受けた案件でも、ご本人の保険に弁護士費用特約を付けていないけど、確認してみたら配偶者の保険には特約がついていたので、その保険を使うことができた、という方もいらっしゃいました。

まとめ

以上のように、弁護士費用特約は、いざ事故に遭った時には強い味方となってくれます。

特約を使っても、そのことによって等級が下がることはありませんので、加入されている方はぜひお気軽にご相談ください。

まだ加入されていない方につきましては、いざというときのために、ご加入を検討されてみてはいかがでしょうか。

交通事故のあらゆるお悩みに対応。どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。

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